比重とは標準物質(一般的には水)と比較して、密度がどのくらい違うかという表し方です。

一方密度とは、単位体積(cm3)あたりの質量(g)の事です。体積1cm3に対してどのくらい質量がある物質かを表し、単位はg/cm3となります。

液中ひょう量法ともいいます。

固体の試料を液体中に吊り下げた時の浮力を測定し、密度や比重を求めます。

精度が高いですが、粉体や液体を吸収するものの測定は出来ません。

スピーカーが音を発するときに生じる空間の微小な体積変化を測定する。標準物質と試料の体積差から密度や比重を求めます。

液体を吸収するものの測定が出来ます。

試料室に気体を充填したときの圧力と、膨張室に気体を排出したときの圧力差から試料の体積を求め、密度や比重を求めます。

粉体の測定が出来ます。

弊社では、水中置換法という方法で測定を行います。自動比重計 を使用し、簡単に数値を出す事ができます。

試験片は表面が滑らかで、隙間やゴミの付着が無く、妥当な質量をもつものとします。質量が小さすぎると、測定バラつきの原因となります。また測定でのバラつきがないか確認するため測定物は少なくとも2個以上とします。

ゴム製品そのものの測定も可能ですが、複雑な形状である場合、正確な数値が得られません。

弊社では自動比重計を使用しています。

ここからは測定方法について簡単に解説します。

試験環境は23℃±2℃の環境で実施します。

エタノールの比重をあらかじめ比重棒で測定し、ビーカーに満たします。

質量を測定できる天秤、及び天秤下のフックから吊下げる測定端子(針もしくはつかみ具)を準備します。

吊下げた測定端子をエタノール中で3度測定し、平均値を測定端子のエタノール中質量の補正値とします。

吊下げた測定端子に試験片を取り付け、さらに天秤に吊下げ、空気中の質量を読み取ります。

比重計の測定ボタンを押し、エタノール中の試験片の質量を測定します。

計算式により、自動でエタノール中の比重が算出され、測定用紙にアウトプットされます。

比重計

比重計

ゴムの種類や添加する配合剤によって比重は全く異なります。こちらに一例をご紹介します。

種類 ゴム記号 比重
天然ゴム NR 1.1~1.3
スチレンブタジエンゴム SBR 1.1~1.2
アクリルゴム ACM 1.2~1.4
クロロプレンゴム CR 1.3~1.6
エチレンプロピレンゴム EPM、EPDM 0.9~1.2
フッ素ゴム FKM 1.6~1.8
二トリルブタジエンゴム NBR 1.1~1.4
水素化二トリルブタジエンゴム H-NBR 1.1~1.3
ブチルゴム IIR 1.1~1.3
ウレタンゴム U 1.3~1.4
シリコーンゴム Q 1.1~1.4

 


参照:

JIS Z8807 固体の密度及び比重の測定方法

JIS K6268 加硫ゴム-密度測定

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