ゴムの測定は目的に応じてさまざまな種類があります。

測定方法、測定機器によって試験片サンプルの形状が異なるため注意してください。

一般的には厚み2mmのシート状から試験に対応したダンベル形状に打ち抜き(もしくは切り抜き)をして目的の試験片サンプルを作製します。

また、直径29mm厚み12.5mmの円柱状試験片も広く使用されています。

ダンベル写真

 


 


ゴムの硬さ測定とは、感覚的な硬い、柔らかいというゴムの性質を0から100の数値にあらわすための測定です。

硬さの数値が大きいほど硬いゴムであり、引っ張ったりつぶしたりなど、変形させるのに大きな力が必要です。

ゴムの硬さは測定方法によって異なる数値を示します。そのため硬さを比較する場合には同じ測定方法を用いる必要があります。

 


ゴムの比重はゴム配合が指示通り行われたか、また成形が正しく行われたかどうかを判断するために測定します。

例えば、ゴム材料の混練り時に資材を入れ忘れた、または成形条件が不適切だった場合、材料や製品の比重が普段よりも低くなるため、比重測定から工程の異常を判断することができます

 


ゴムの引張ひっぱり試験はゴムの最大の伸びと、破断時の引張強さを測定します。

試験片についてはJISK6251に則り準備します。

配合の設計や、工場での混練、成形が適切に行われたかを確認するために行われます。

 


ゴムの圧縮永久ひずみ試験は、ゴムが長い時間圧縮された時のヘタリの大小を評価する試験です。

ゴムは外力によって変形されても、外力が除かれたときに元の形に戻る性質があります。

もとに戻らない変形のことを圧縮永久ひずみとよび、外力により加えられていた変形と圧縮永久ひずみとの割合のことを圧縮永久ひずみ率とよびます。

 


ゴムの加硫試験では一定の変形を未加硫ゴムに加え続け、加硫を進めていった時のトルクの変化を記録することで、加硫が完了する時間や、どの加硫温度が適切であるかを判断します。

試験室では各ゴム配合の加硫条件(温度・時間)の最適化のために行います。

工場ではゴム材料の秤量、混練りが間違いなく行われているか確認するために行います。

 


引裂き試験では、引裂き強さの成長伝播を測定する為、局部から亀裂が発生する形状の試験片を使用します。

試験片は5種類あり、クレセント形、切り込みありアングル形、切り込みなしアングル形、トラウザ形、デルフト形です。

各試験片は主にゴムの列理(グレーン)に直角に採取します。

 


ゴムのオゾン試験では、ゴムがオゾンによって劣化する度合いを評価します。

ゴムは大気中に含まれるオゾンによって劣化され、オゾンクラックが発生することがあります。

ゴムのオゾン試験では、ゴムの長期間に及ぶオゾン劣化を、高濃度のオゾンにより促進し、短期間で試験を行います。

オゾン試験には動的試験と静的試験があります。

 


ゴムの浸漬しんせき試験では、ゴムがある物質にさらされた時の強度や体積、重量の変化を耐液性として評価します。

ゴム製品は使用される環境によって水や油、化学薬品などにさらされることがあります。

ゴム材料によって影響のある物質は様々ですので、さらされる可能性のある液体について耐液性を確認しておくことが大切です。

 


ゴムの老化試験では、ゴムが長期間使用された時の強度や伸び及び硬さの変化を測定します。

室温で5年や10年などの長時間に相当する試験を、高温にさらすことで1週間や1カ月に短縮して行います。

温度-時間換算側を用いることでゴム製品の使用温度における寿命推定をすることもできます。

 


ゴムの低温試験は、低温雰囲気でゴムらしさであるしなやかさを維持できているか、低温性を確認する試験です。

ゴムは室温時に柔らかくても、低温時にガラスのように硬くなる性質があります。

低温時に硬くなりやすいゴムを使用していると、冬期にシールできない、防振できないなどのトラブルが起きます。

低温試験では、このようなゴムが低温時に規格を満足するかを確認するために行われます。

 


ゴムの反発弾性試験は、ゴムの減衰の大小を評価する試験です。

ゴムは加えられたエネルギーの一部を熱エネルギーに変換して衝撃を減衰する性質を持っています。

反発弾性試験では加えられたエネルギーとはね返ったエネルギーの割合を百分率で表し、反発弾性率として評価します。

反発弾性率が高いゴムの例ですはおもちゃのスーパーボール(BR)低いゴムの例では制振材のブチルテープ(IIR)が挙げられます。

反発弾性測定装置はリュプケ式やトリプソ式などがあります。

 


ゴムの摩耗試験とは、ゴムが異種材料と接触したときの摩擦による劣化についての試験です。

滑らかに見える表面でも拡大して見ると凹凸面があり、その凹凸面は異種材料との接触によって張り付きます(凝着)。凝着した凹凸面は引き剝がされるときに相手物質にはぎとられ、ゴムに小さな劣化をもたらします。

この小さな劣化の繰り返しによるゴムの強度の低下や、重量や体積の減少を測定する試験が摩耗試験です。

 


ゴムの疲労試験とは、加硫ゴムシートあるいはゴム製品に繰り返し変形を加えるもしくは、力を加えた時にゴムの強度がどのように変化するかを確認する耐久試験です。

繰り返し力を加えた耐久回数と、その時の強度をグラフに表すことで、破壊までの耐久回数を予測することができます。試験方法の代表に屈曲亀裂試験が挙げられます。

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