NBRはアクリロニトリルとブタジエンの共重合した合成ゴムです。乳化重合法により重合され、凝固・乾燥を経て製造されます。

重合温度が25~50℃で重合されるものをホットラバー、25℃以下で重合されるものをコールドラバーと呼びます。コールドラバーはホットラバーに比べて、重合速度が速く、分子量分布の狭いポリマーが得られ、加工性や物性に優れています。そのため、約80 %NBRがコールドラバーで生産されています。ホットラバーは接着剤向けに多く使用されています。

NBRはアクリロニトリルの含有量によって特性が変化します。

NBRの構造

NBR構造

NBRのポリマー

NBR生ゴム

ニトリルゴムNBR

※一般的な配合のデータであり、配合によっては異なったデータとなる

チェック

優れた耐油性

チェック

求める特性によってANの変量可能

バツ

耐候性、耐熱性に劣る

名称 低ニトリル 中ニトリル 中高ニトリル 高ニトリル 極高ニトリル
アクリルニトリル含有量(%) 24以下 25~30 31~35 36~42 43以上
特性 耐油性
耐熱性
引張強さ
極性樹脂との相溶性
耐摩耗性
耐寒性
反発弾性

硬さ( デュロA ) 40 60 90
引張強さ( MPa ) 12.6 13.0 12.0
伸び( % ) 600 750

230

使用温度( ℃ ) -30~ 100
体積抵抗( Ω・cm, 25℃ ) 109~ 1010

※上記特性データについては参考値であり保証値ではありません


NBRは優れた耐油性を生かして自動車部品や工業用パッキンなどのオイル回りの製品に多く用いられています。また電線・ケーブルの外装、接着剤などにも使用されています。

しかし、オゾンに対する耐性が弱いため、日光などの使用環境に注意が必要です。

使用される分野 製品
自動車部品 オイルシール、Oリング、オイルホース
工業用品 パッキン、印刷ロール、接着剤、ガスケット

参照:

・ニトリルゴム 発行所:株式会社大成社 著者:小室経治、上田明男、和田克郎、和久哲夫

・新版ゴム技術のABC  編集・発行:日本ゴム協会東海支部

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