ゴムの反発弾性の試験方法
~反発弾性率の求め方~
反発弾性とは?
ゴム材料の減衰の大小を表現する為の1つの指標として使用されています。
規定質量の錘を規定高さから試験片に衝突させ、跳ね返った高さが、最初の高さの何%になるかを測定します。完全に同じ高さまで跳ね返るものは反発弾性率100%、全く跳ね返らない場合は反発弾性率0%と表現します。
規格としてはJIS K 6255、ISO 4662などが制定されています。
反発弾性のあるゴムは何?
反発弾性のあるゴムの代表は天然ゴム(NR)やイソプレンゴム(IR)があげられます。
身近なものでゴムの反発弾性を生かして使用されているものはスーパーボールがあります。スーパーボールは主にブタジエンゴム(BR)が使われています。
反発弾性 | ||
---|---|---|
高い | ⇔ | 低い |
NR、IR、BR、CR、U、Q |
SBR、NBR、EPDM、CSM |
IIR、ACM、FKM、T |
反発弾性の試験方法
反発弾性率を求める試験方法としては大きく分けて、振子式と円盤振り子式の2種類あります。
①振子式試験(試験装置例:リュプケ式、ショブ式など)
振子試験(リュプケ式)では打撃端は丸端が半球の形状をもち、4本の糸でつるされており重力の作用で打撃する。
試験片保持装置、振り子、目盛り盤等で構成されている。
②円盤振子式試験(試験装置例:トリプソ式)
円盤振子式試験(トリプソ式)では先端が球面である打撃端を持つブラケットを取り付けた円盤振り子を利用する。
試験片保持装置、落下高さ、反発高さを読み取る装置等で構成されている。
反発弾性率の求め方
①振子式試験(試験装置:リュプケ式)の反発弾性率の求め方
荷重Wが高さh0にあって、ゴム表面に自由落下して高さh1まで反発したとすると、反発弾性率Rは次のように表される。
R=h1/h0(%)
R:反発弾性率(%)
h1:反発後の高さ
h0:落下高さ
反発弾性率とともに、エネルギー損失E(ゴムに吸収されたエネルギ―)も算出する事もあり、エネルギー損失は次のように表され、ゴムの発熱などに変換されたものと考えられている。
E=W(h0-h1)
E:エネルギー損失
W:質量
②円盤振子式試験(試験装置:トリプソ式)の反発弾性率の求め方
円盤振子の落下角度をΦ(45°とする)に位置にあって、ゴム表面に落下させることで角度θまで反発したとすると、反発弾性率RTは、等間隔目盛りで観測した落下角度及び反発角度から下記のように記される。
RT=(1-cosθ)/(1-cosφ)×100
RT:円盤振子式試験による反発弾性率(%)
θ:反発角度(度)
φ:落下角度(度)
参照:
JISK6255-2013 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-反発弾性率の求め方