ゴムの種類には色々ありますが、同じゴム種であっても別称がある場合があります。この記事を読んでいるあなたも、知らない内に別称を使用しているかもしれません....。今回のコラムでは、別称のあるゴム種の紹介や、それぞれのゴムに付けられている略号の由来など、ゴムの名前に関する雑学を紹介します。

よく聞く名前だけど実は商品名!?別称で呼ばれているゴムをまとめました!

別称

化学名・慣用名

略号

開発元

バイトン (Viton)

フッ素ゴム

FKM

デュポン

カルレッツ (Kalrez)

パーフルオロエラストマー

FFKM

デュポン

ネオプレン (Neoprene)

クロロプレンゴム

CR

デュポン

ハイパロン (Hypalon)

クロロスルホン化ポリエチレンゴム

CSM

デュポン

ゼットポール (Zetpol)

水素化ニトリルゴム

H-NBR

日本ゼオン

 

ゴムを取り扱ったことがある方は、この別称聞いたことがありませんか?
どの別称も、世界で初めて販売を開始したゴム種であるため、そのまま商品名を使用してしまっている経緯があるようです。

ゴムのプロであれば、その名前を言えば理解できますが、プロでなければすぐには判断できません。
また古い図面にはこの別称が使用されている事もあり、知らずの内に使用していると、他社メーカーの同材質を使用した方が、機能向上や、コストのメリットがあるにも関わらず、その機会を逸してしまう事もありますので注意して下さい!
またゴムノイナキにご相談頂ければ、最適ゴムの選定を致しますので、気軽にご連絡下さい。

 

AdobeStock_504126418

各ゴム種の略号に使用されているアルファベットの意味や由来などの豆知識

各ゴムに使用されている略号(FKMEPDMNBRなどのアルファベット)は、アメリカの規格ASTM(American Society for Testing and Materials)D1418に規定されているものです。

Mクラスに分類されるゴム種の略号に「M」を使用しています。「M」はモノマー(Monomer)や、マテリアル(Material)、メチレン(Methylene)の頭文字からきているなど諸説あり、「M」を使用しているクラスは主鎖が全て飽和結合(全て単結合)になります
単結合は二重結合などと比較し、化学的に安定しており、耐熱性や耐候性に優れています。

Rクラスに分類されているNBRCRSBRなどには、略号に「R」がつきます。Rは一般的にはラバー(Rubber)から来ているとされており、「R」クラスのゴムは主鎖に不飽和結合(二重結合など)を持ちます。

シリコーンを代表とする、シロキサン結合を主鎖にもつゴムには、略号としてQが振り分けられています。

何故Qを選んでいるかですが、他の分類と重複しない様に選ばれた記号であると共に、ユニーク(Unique)Qから取った説や、同じシリカからできているクオーツ(Quartz)から取った説などがあります。

因みに、シリコーン(Silicone)の事をシリコンと言う方が多いですが、正式にはシリコーンと言いい、英語でSilicon(ケイ素)Silicone(シリコーンや有機ケイ素化合物)を区別する為に使い分けています。

今回は、普段何気なく使っているゴムの別称や略号について、豆知識としてご紹介しました。少しでもご参考になれば幸いです。
もし「これはどういう意味?」などの疑問や、「こんな名前もあるよ」といった情報がありましたら、ぜひお聞かせいただけると嬉しいです。

\ゴムの100年企業がお答えします/

ゴムに関するお困りごと大歓迎です!  お問い合わせ・ご相談