ゴムの硬さ(硬度)ってどれくらい?
~硬さの違いや測定方法などご紹介!~
ゴム硬さとは
一般的に「ゴム」というと、連想するのは輪ゴムだったり、ホースだったり、タイヤだったり、と様々ありますが、ゴムそれぞれに、「硬さ」があり、物によりそれぞれ異なる事をご存じでしょうか。
ゴムの硬さの表記
感覚でいう、「硬い」「やわらかい」「ちょっと硬い」「すごくやわらかい」・・・は人によって表現が様々です。
人による感覚の違いを無くす為、同じものさしで同じ単位で測定し、0~100までの数字表記で表します。
ゴムの硬さの比較
ゴムの硬さの指標には「JIS規格」を使用する事が一般的です。弊社でもJIS規格に合わせて測定を行っています。
測ってみよう!
JIS規格に合わせたデュロメータA(次の項目で詳しく紹介)で身の回りのものを測ってみました。
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ゴム手袋 23°くらい |
消しゴム 56°くらい |
デスクマット 85°くらい |
※ JIS規格の形状に当てはまりませんが、参考までに測ってみました。
ゴムの硬さ測定方法
デュロメータ硬さ
「JIS K 6253 -3(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方-デュロメータ硬さ)」の測定方法を紹介します。デュロメータとは、JIS規格にあるスプリング式を採用した、非常に取り扱いのし易い計測機器です。
デュロメータ硬さは、試験片にデュロメータの先端にある押針を押し込んだときの押込み深さから得る値です。
デュロメータ外観
デュロメータの種類
デュロメータには、タイプA、タイプD、タイプEがあり、下記のように選択します。
(デュロメーターとも呼ばれますが、正しくはデュロメータです。)
タイプA
タイプDデュロメータで硬さが20未満の値を示す場合に用いる。
最もよく使用される種類です。
タイプE
タイプAデュロメータで硬さが20未満の値を示す場合に用いる。
ゴムの中でもとても柔らかいものを測定する時に使います。
タイプD
タイプAデュロメータで硬さが90を超える値を示す場合に用いる。
プラスチックに近い硬いゴムを測定する時に使います。
試験片の準備
試験片の厚さは、タイプA及びタイプDでは6.0mm以上、タイプEでは10.0mm以上のものを使用します。厚みが足りない場合は3枚以内であれば重ねて測定できます。
測定面の寸法は、押針先端と試験片の端がタイプA及びタイプDでは12.0mm以上、タイプEでは15.0mm以上と定められています。また、押針からの半径で、タイプA及びタイプDでは6.0mm以上、タイプEでは9.0mm以上の加圧面と密着できる大きさの平坦な面が必要です。
測定方法
- 平坦で硬い面に試験片を置きます。
- デュロメータの加圧板が試験片表面に平行、なおかつ押針が試験片表面に対して直角になるようにデュロメータを持ちます。
この時、測定箇所は試験片の端から、タイプAとDは12.0mm以上、タイプEは15mm以上離れるようにしましょう。 -
加圧板を試験片に接触させた後、規定の測定時間後に読み取りを行います。標準の測定時間は加硫ゴムでは3秒後、熱可塑性ゴムでは15秒後の数値を読み取ります。
(測定時間については“当事者間の協定により他の測定時間を設定しても良く、その場合には試験報告書に記載する“とも記されています。)
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試験片1個に対して測定点数は5点測定し、中央値を硬さとして採用します。
これが“デュロメータ硬さ”となります。
測定の様子
ゴムの硬さ不良はなぜ起きる?
ゴムは柔軟性があり、バラつきが生じやすい物質です。同じゴムでも測定者により硬さが異なる事もあります。また、同じゴム材料でも、成形する(製品の形にする)度に硬さが異なる場合もあります。
よってすべてのゴムには硬さの許容範囲を示す「公差」が設定されており、一般的に±5°と設定されています。
ゴム硬さのトラブル事例
例えば以下の4つの場合に正常な硬さが得られず、トラブルにつながります。
①材料を配合(混ぜる)する際に、添加物の種類や量を間違って入れてしまった。
②成形温度が設定と実測で大きく異なっていた。
③期限切れの材料で成形してしまった。
④タイプAデュロメータで測定するべきところをタイプDデュロメータで測定してしまった。
参照:
JISK6253-3 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方-デュロメータ硬さ