ウレタンゴムとは、合成ゴムの弾性とプラスチックの剛性を併せ持つエラストマーです。エラストマーとは、弾性を持った高分子のことであり、「ゴム 」もエラストマーの一種です。

ウレタンゴムは出発原料であるポリオール、ジイソシアナート、及び架橋剤あるいは鎖延長剤の構造と配合比を種々変化させることにより、要求される様々な性能に応えることができます。しかし、その反面、構造はかなり複雑になり、構造と物性の関係も多様になります。

また結合の仕方によって、ポリエステル系とポリエーテル系の2種類に分類することができます。特徴が大きく変わるので用途によって選択することが必要です。

ウレタンゴムの主な構造

U構造

注入成型タイプのウレタンゴム

Uゴム

ウレタンゴムU

※一般的な配合のデータであり、配合によっては異なったデータとなる

チェック

高い耐摩耗性と機械的強度

チェック

優れた耐油性

バツ

耐熱性に劣る

注入成型タイプ 液状のプレポリマーに架橋剤を添加混合し、型に注入後、加熱架橋させる
ミラブルタイプ 通常のゴム用加工機での加工が可能で、一般的に有機過酸化物で架橋させる
熱可塑性タイプ 架橋をしないタイプで、主として押出成形、射出成形により加工される

硬さ( デュロA) 10 ~ 100
引張強さ(MPa ) 20.0 ~ 45.0
伸び( % ) 300 ~ 800
使用温度( ℃ ) -40~ 80
体積抵抗( Ω・cm, 25℃ ) 109~ 1012

※ミラブルタイプの物性値になります。

※上記特性データについては参考値であり保証値ではありません


ウレタンゴムは配合・製法によって、性能が変わるので様々な場面で使用されています。

ただし、耐熱性、耐水性に劣るため、熱が発生したり、湿気が多い場所は劣化が早くなる可能性があるため注意が必要です。

使用される分野 製品
自動車部品 クッション、シーリング材、制振材、スポンジ
建築材料 断熱材、振動防止材
工業用品 接着剤、パッキン
日用雑貨 スポンジ、化粧用パフ、靴底(ラバーソール)

参照:

・古川睦久(2000)「ウレタンゴム」奥寺通夫・粷谷信三・西敏夫・山口幸一『ゴムの事典』pp.207-211 朝倉書店

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