シリコーンゴムは環状シロキサンを開環重合することにより製造される合成ゴムです。

シロキサン結合(-Si-O-)は、炭素(-C-C-)結合と比べ結合エネルギーが高く、非常に安定しています。シリコーンゴムは成形後、残存する低分子量シロキサンを除去し、物性を安定させるために2次加硫します。低分子量シロキサンが残存すると、接点、マイクロモーターなどの近傍にほぼ密閉状態で使用した場合、接点の導通不良、モーターの作動不良が起こる可能性があります。

シリコーンゴムは、シリコンゴムとも検索されますが正しくはシリコーンゴムの表記が正しいです。

シリコーンゴムは一般的に絶縁性のゴムですが、導電性のグレードもあります。

VMQ(代表)の構造

VMQ構造

VMQ(代表)のポリマー

VMQ生ゴム

シリコーンゴムQ

※一般的な配合のデータであり、配合によっては異なったデータとなる

チェック

優れた耐寒性 ・ 耐熱性 ・ ガス透過性

チェック

人体に対して安全

バツ

高温・加圧水蒸気で加水分解

①ジメチルシリコーンゴム(MQ)

側鎖がすべてメチル基で導入されています。

他のシリコーンゴムと比べて圧縮永久ひずみ、耐熱性が劣ります。高引裂きゴム、スポンジなどに使用されています。

 

②ビニルメチルシリコーンゴム(VMQ)

MQのメチル基の一部をビニル基に置換したものです。

現在市販のシリコーンゴムの大半を占めています。加硫特性、圧縮永久ひずみが改善されています。

 

③フェニルメチルシリコーンゴム(PMQ)

MQのメチル基の一部をフェニル基に置換したものです。

耐寒性が非常に優れており、超低温用ゴムなどに使用されています。

 

④フェニルビニルメチルシリコーンゴム(PVMQ)

VMQのメチル基の一部をフェニル基に置換したものです。

PMQと同様に耐寒性に優れ、かつ機械的強度、難燃性、耐熱性も改善されています。

 

⑤フロロシリコーンゴム(FVMQ)

メチルトリフルオロプロピルシロキサンに少量のメチルビニルシロキサンを共重合したものです。

耐油性、耐熱性が改善されています。


硬さ( デュロA) 30 50 70
引張強さ( MPa ) 9.0 9.0 7.0
伸び( % ) 1000 400 230
使用温度( ℃ ) -50~ 200
体積抵抗( Ω・cm, 25℃ ) 1011~ 1015

※上記特性データについては参考値であり保証値ではありません


シリコーンゴムは、耐寒性、耐熱性など高機能な特性を兼ね備えていることから、自動車部品、建築分野、医療分野など幅広い分野で使用されています。

使用される分野 製品
自動車部品 センサー類の保護チューブ、点火系配線、シールストリップ
建築材料 ゴムベラ、防振材
電気用ゴム部品 耐熱電線、キーボード用コンタクトラバー
工業用品 テープ、Oリング、パッキン、ブッシング、オイルシール、チューブ
医療用品 カテーテルチューブ、ラリンジアルマスク、靴、耳栓
VMQの主な用途

参照:

・新版ゴム技術のABC  編集・発行:日本ゴム協会東海支部

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