フロロシリコーンゴム(FVMQ)とは?
~特性と使用用途について~
メチルトリフルオロプロピルシロキサンに少量のメチルビニルシロキサンを共重合することによってFVMQが製造されます。
FVMQはVMQの特性に加え、耐油性や耐熱性の向上を目的として開発されたゴムです。シリコーンゴムと比べて耐油性、耐熱性が改善されています。
FVMQの構造
FVMQのポリマー
フロロシリコーンゴム(FVMQ)の特徴
※一般的な配合のデータであり、配合によっては異なったデータとなる
優れた耐油性、耐燃料性
広い温度範囲で使用可能である
・長所
シリコーンゴムの特性に加え、FKM(フッ素ゴム)並みの耐油性、耐燃料性にも優れています。シリコーンゴムと比べ、自動車用エンジンオイル、ガソリン、軽油などの燃料に対して耐性があるため、自動車向けのシール材に適しています。
使用可能温度域が広く低温から高温まで幅広い温度域での使用が可能です。
・短所
シリコーンゴム同様、機械的強度は劣ります。
またフロロシリコーンゴムはコストが高い欠点があります。コスト削減のため、シリコーンゴムとブレンドすることがありますが、物性は低下します。
フロロシリコーンゴム(FVMQ)の主な物性値
硬さ( デュロA ) | 50~70 |
引張強さ( MPa ) | 6.0~13.0 |
伸び( % ) | 300~500 |
使用温度( ℃ ) | -50~200 |
体積抵抗( Ω・cm, 25℃ ) | 1010~1014 |
※上記特性データについては参考値であり保証値ではありません
フロロシリコーンゴム(FVMQ)の主な用途
フロロシリコーンゴムはシリコーンゴムの中で最も優れた耐油性能を持つので自動車部品に多く使用されています。
使用される分野 | 製品 |
自動車部品 | ダイヤフラム、メンブレン、Oリング、ガスケット |
電気用ゴム部品 | シーリング材 |
工業用品 | パッキン、ゴム栓、ブッシング |
参照:
・新版ゴム技術のABC 編集・発行:日本ゴム協会東海支部