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一般の方からするとシールと言えば、裏面に粘着物が付いている、小さい子が大好きな貼るシールを想像されるかと思います。
このシールという言葉ですが、辞書でシールを調べると、「封印」と出てきます。
今回書くコラム「ゴムシール」は、貼り付けるシールではなく、ゴムを使った封止・密閉について、解説させていただきます。
(余談ですが私もゴムの仕事を始めた頃に、ゴムのシールと言われた際には、ゴム製の貼り付けるシールがあるのかな?と思いました。 笑)

 

1. シールの概要となぜゴムを使用するのか?

シールとはいったい何のことを指しているのかと言うと、外部(または内部)の気体や液体等の流体を、内部(または外部)と交わらない様に封止することを言います。
また理論上の話をするとシールをするには以下理屈が成り立てば、流体を封止することができます。

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流体圧力の増減や、シール部材のクリープにより常に変動する要素はありますが、ある一瞬を切り抜いた際に、これさえ成り立っていれば、ゴムでなくてもシールすることができます。
ただし、実際には表面に凹凸があるなどし、圧力が均等に掛からないなど、ゴムシール以外のシール部材で完全にシールすることは容易ではありません。
それに対しゴムシールは、3次元方向に大きな柔軟性を持つことから、相手の表面状態や微小な寸法差の影響を受けにくいため、他のシール部材と比較しシールの品質が上がり、設計上の余裕を持たせることができます。

2.ゴムシールの種類

シールには相手の形状や、どのような流体を封止するかにより、シール方法やゴム形状が異なるので、代表的なシール方法と、それに使用されるゴムの形状に対し、どのような場面で使用されているか、いくつか例を挙げさせていただきます。


ここでの固定シールは基本的には組付けている間は、流体以外の外力を受けないシールを言います。

  • 圧入シール

ゴムの形状

使用される場所

ブッシュ

円筒や角筒形状の内径へ圧入される栓

  圧入シールはゴムが内径へ圧入する際に、ゴムが圧縮され、
  その反力が円筒内径方向へ掛かるためシールされる構造です。
  このシール方法は、ゴムの反力のみで面圧を掛けるため、
  簡単な方法ではありますが、通常は流体の圧力が常圧以外の
  場所へは向いていません。

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  •  緊縛シール 

ゴムの形状

使用される場所

 キャップ 

円筒や角筒形状の外径に
覆い被さるキャップ

   円筒状のゴムの内径に、ゴム内径より大きい配管や金属棒などを
   挿入することにより、内径が広がったゴムが元に戻ろうとする、
   緊縛力が発生します。
   この方法もゴムの反力のみで面圧を掛けるため、
   簡単な方法ではありますが、常圧以外の場所へは向いていません。

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  •  軸シール 

ゴムの形状

使用される場所

 Oリング

 配管の継ぎ手 

 Dリング

 リップ形状 

 ケースの蓋などの常圧シール 

   オス-メス配管の間に挟み込み配管の拘束力に対し、ゴムの反力が
   発生し、オス配管の外径と、メス配管の内径への面圧でシールを
   します。
   この際に配管の軸方向へは拘束力が働きますが、挿入方向へは
   拘束力が働かないため、2つの配管をクランプやカラーなどにより
   抜け止めをする必要があります。

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  •  平面シール 

ゴムの形状

使用される場所

 O-ring 

配管フランジの結合部など、圧力がかかる部位

 角パッキン 

  ゴムシート 

 リップ形状 

ドアの隙間埋め、などの常圧シール

 中空ゴムパッキン 

 ゴムスポンジシート 

   配管やケースなどの結合部平面にゴムを挟み込むことによって、
   ゴムを潰し、反力を平面部へ掛けることにより、面圧が発生し
   シールします。
   軸シールとは違い、ゴムの反力を得るために、平面同士を
   クランプやカラー、ボルトなどを使用し荷重を掛ける必要が
   あります。

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  •  加締めシール 

ゴムの形状

使用される場所

  ホース

ホースの結合部や円筒形状の末端

ブッシュ

  ゴムの外周へ金属カラーを挿入し、ゴムと一緒にカラーを
  変形させ、ゴムの反力を得ることにより、カラー内径と、
  場合によってはゴム内径の被シール体へ面圧が掛かることにより
  シールをします。

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  •  接着

ゴムの形状

使用される場所

 コーキング剤 

 寸法誤差の大きい場所の隙間埋め 

 接着剤 

圧力を掛けることが難しいが、
シールをしたい面

   ゴムに対し、圧力を掛けることが難しい場合に、接着による
   シールや、寸法誤差が大きい物に対し、最終出来た隙間などに
   隙間埋め+シールとして使用することもあります。

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 シールをしたい相手物が回転や上下に動くなど、シール部材と摩擦を起こすため、シールしたい流体以外にも外力を受ける場合。 

  •  回転軸シール 

ゴムの形状

使用される場所

   Uパッキン

回転軸(圧力あり)

   Vパッキン

   O-リング

 リップシール

回転軸(低圧~常圧)

  コンプレッサーなどの回転軸に対しシールができますUパッキン、
   Vパッキンは押し付ける荷重(又は寸法)により、回転軸に対し、
  ある程度面圧をかけることができます。しかし面圧をかけるという
  ことは、回転運動に対し負荷になるので設計には注意が必要です。
  それに対しリップシールは、回転軸に圧力をあまりかけない形状
  なので、対応できる圧力は小さいものの、回転軸に対する負荷は
  小さくなります。

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  •  ロッドシール 

ゴムの形状

使用される場所

   Uパッキン

直線運動軸(圧力あり)

   Vパッキン

   O-リング

 リップシール

直線運動軸(低圧~常圧)

  ロッドシールは油圧シリンダーなど、直線運動をする軸に使用
  します。回転軸シールと同様に、Uパッキン・Vパッキンは
  ある程度の圧力に対応でき、リップシールは対応できる圧力は
  小さいものの、軸に対する負荷を小さくできます。

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  •  ダイヤフラム 

   薄膜ゴムを圧力やバネ等を利用し稼働することで、シール面に対し圧力のON/OFFをすることができるシール部材です。

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シールの用途により、様々な形状のゴムシールがあります。

O-リングやVパッキンなど、JISなどで規格化されているものもありますが、用途に応じてオリジナル寸法・形状が採用されるケースも多くあります。

ゴムノイナキでは形状検討の段階で「CAE解析」をすることにより、「どの程度面圧になるか」、「どの程度の組付け荷重がかかるか」などを事前に把握できますので、開発コスト・時間の削減が可能ですし、流体や環境に応じた材料検討も可能です。

シールに関する困りごとがございましたら、是非お問合せ下さい!

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