ブチルゴムはイソブチレンと少量のイソブレンのカチオン共重合によって生成される合成ゴムです。

ブチルゴムの構造は、イソブチレンのメチル基がポリマー主鎖を取り囲み、主鎖の回転運動を抑制していること、ジエン系ゴムと比較して主鎖の二重結合がかなり少量であることが特徴的です。

この特徴から、気体をほとんど透過しないという性質を持ちます。また、主鎖の運動性が低いことから、内部摩擦が増大し、反発弾性が極めて低いという性質も示します。

ブチルゴムの構造

IIR構造

ブチルゴムのポリマー

IIR生ゴム

ブチルゴムIIR

※一般的な配合のデータであり、配合によっては異なったデータとなる

チェック

極めて低いガス透過性

チェック

電気絶縁性に優れる

バツ

耐油性に劣る


硬さ( デュロA ) 20 ~ 90
引張強さ( MPa ) 5.0 ~ 15.0
伸び( % ) 100 ~ 800
使用温度( ℃ ) -40~ 120
体積抵抗( Ω・cm, 25℃ ) 1016~ 1018

※上記特性データについては参考値であり保証値ではありません


ブチルゴムはその低いガス透過性と低い反発弾性からタイヤのインナーチューブに用いられています。

自動車部品だけではなく、防振特性を生かして生活用品や家電などの防振材、防音材にも利用されています。

使用される分野 製品名
自動車部品 タイヤのインナーチューブ・防振材
工業用品 コンベヤベルト・ホース
建築用部品 ルーフィングシート

参照:

・明間博(2000)「ブチルゴム」奥寺通夫・粷谷信三・西敏夫・山口幸一『ゴムの事典』pp.176-178 朝倉書店

・長野早男(1983)『合成ゴム加工技術全書 ブチルゴム』大成社

\ゴムの100年企業がお答えします/

ゴムに関するお困りごと大歓迎です!  お問い合わせ・ご相談